マチとは?バッグのマチの役割・種類・選び方を解説!
バッグの販売サイトなどで頻繁に目にする「マチ」とは、バッグの厚みや奥行きのことを指します。
マチが付いているバッグは奥行きがあるので、書類やファイルなどの、かさばる荷物をスッキリ収納することができます。さらにマチは、バッグ全体のデザインにも大きく関わってくる重要なポイントになります。
しかし、商品を選ぶ際にマチの有無に関しては、意外と見落としがちという方も決して少なくないはずです。
このページでは、重要な役割を果たしているにもかかわらず、意外とスポットが当たることが少ない「マチ」の定義から役割・種類などを、徹底的に解説します。
バッグのマチとは?定義と役割を徹底解剖
マチとは、バッグの「側面や底面の厚み(幅)」のことを指します。
バッグにマチが付いていることで、モノを収納した際に、「奥行き」や「幅」が形成されます。例えばお弁当箱のような、奥行きがあったり、重みのある荷物も、しっかり安定した状態で収納し、持ち運ぶことができます。
また、生地の素材にもよりますが、マチが付いていることによって、バッグが自立したり、無理矢理収納した荷物によってバッグが不格好に膨らむことを防いだりと、機能面のみならず、見栄えの良さにも繋がります。
マチの主な役割
前述した通り、バッグのマチは、単なるバッグの「厚み」を示すものではありません。この項目では、バッグ自体の機能性も大きく左右する、マチが果たしている役割を4つの項目に分けて掘り下げていこうと思います。
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- 収納力:
- バッグのマチが担っている、最も分かりやすい役割は収納力です。マチが広ければ広いほど、バッグに収納できる物の大きさや量は増大します。例えば、ランチボックスや500mlのペットボトル、少し厚みのある本などをスッキリ収納するためには、ある程度のマチ幅が必要です。逆に、スマートフォンや財布、ハンカチなど最低限のものだけを収納して持ち歩くのであれば、スリムなマチでも十分かもしれません。
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- 安定性:
- マチがしっかりしているバッグは、床やテーブルに置いた際に、安定しやすいという特徴があります。特に、底面のマチが広くて、形状がしっかりしているビジネスバッグ・リュックサックなどは倒れにくいので、安心して荷物を出し入れすることができます。
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- 形状維持:
- マチが付いていることで、バッグは綺麗な形状を保ちやすくなります。荷物が少ないとクタッとなってしまうバッグも、マチが付いていることで、ある程度のハリが生まれ、荷物の量に関わらず、バッグ本来のシルエットをキープしてくれます。
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- バランス:
- 適度な幅を持ったマチが付いていることで、バッグの中の荷物が偏りにくくなり、重心が安定します。これにより、持ち運びやすさが向上し、肩や腕への負担を軽減する効果も期待できます。
以上のように、マチはバッグの「使いやすさ」や「機能性」に直結する、とても重要な役割を担っているのです。
バッグのマチの種類
マチと一口に言っても、その形状や構造には、いくつかの種類があります。ここではバッグに使用されることが多い、代表的な4種類のマチをご紹介いたします。
三角マチ
三角マチは側面を縫製して底面の角を折り、三角形になるように作ったマチのことです。
側面下部の三角形が視覚的にもアクセントになります。トートバッグでよく使用されています。
横マチ
横マチとは、側面にのみ付いているマチのことです。
底部分にはマチが付いていない、レジ袋・トートバッグ・ショルダーバッグなどによく使用されます。
横マチタイプのバッグは、マチを折り畳むことができるため、コンパクトに持ち運ぶことが可能です。
別マチ
別マチとは、底面のマチ部分の生地を、バッグ本体とは別の生地で縫い合わせているマチのことです。
以下でもご紹介する、通しマチと比較しても底面の部分が、頑丈でしっかりした作りになるため、重量のある荷物を収納して持ち運べるという点が特徴です。
また、生地にもよりますが、土台部分がしっかりと固定されるため、バッグを安定して自立させる効果があります。革製品のバッグは別マチタイプのものが多いといわれています。
通しマチ
底面のマチ部分と側面側分が、1枚生地でつながっているバッグのことを通しマチタイプと呼びます。
形状によって、様々なバリエーションがあるマチのひとつです。
革製品のハンドバッグなどに使用されることが多いマチです。
バッグのマチの特徴
続いては、バッグのタイプを「マチなし」「マチあり」「可変式マチ」の3種類に分類して、それぞれのバッグの特性を分析していこうと思います。
バッグとマチ、相互の理解を深めることで、用途にマッチしたバッグの選定が、より一層スムーズになるはずです。
1. マチなし (フラットタイプ)
- 特徴:
- 側面や底面にほとんど厚みがなく、平らなデザインが特徴です。非常にスリムでコンパクトに持ち運べます。
- メリット:
- ・かさばらず、スマートに携帯できます。
- ・書類や薄いものを整理して入れるのに適しています。
- デメリット:
- ・収納力は限られる。
- ・厚みのあるものを入れると、バッグの形が崩れやすい。
- ・自立しにくいバッグが多い。
- 代表的なバッグ:
- クラッチバッグ、一部のトートバッグ(特にA4ファイルなどを入れるための薄型タイプ)、封筒型バッグ、サコッシュなど。
- 素材との関連性:
- 薄さを活かすため、比較的柔らかい革、布帛(コットン、リネン)、薄手の合成皮革などが使用される場合が多い。
2. マチあり (角底マチタイプ・船底マチタイプ)
≪角底マチタイプ(ボックス型マチ)≫
- 特徴:
- 側面と底面にマチが付いており、しっかりとした箱のような構造になっています。バッグの形状が崩れにくく、安定感があります。
- メリット:
- ・収納力が高く、厚みのある荷物も入れやすい。
- ・非常に自立しやすく、バッグを床やテーブルに置いた時の安定感が抜群です。
- ・荷物の出し入れがしやすい。
- デメリット:
- ・バッグ自体にある程度のボリュームがでます。
- 代表的なバッグ:
- ビジネスバッグ、ブリーフケース、リュックサック、しっかりした作りのトートバッグなど。
- 素材との関連性:
- しなやかさよりも形状維持が重視されるため、比較的ハリのある革(カーフレザー、サドルレザーなど)や、芯材が入ったキャンバス地、しっかりとしたナイロン素材のバッグに多く見られます。
≪船底マチタイプ≫
- 特徴:
- 底面のマチの両サイド部分が、バッグ内側に折り込むように縫いつけられているバッグです。バッグの底面部分を広げると、船の底のような横に広がった形状をしています。収納する荷物の量に合わせて、マチ部分が広がる構造になっており、沢山の荷物を収納できます。また、マチなしタイプのバッグに比べ、しっかりと自立しやすいのも特徴です。
- メリット:
- ・荷物の量に合わせてマチ幅を調整できる柔軟性があります。
- ・普段はスリムに、荷物が多い時は拡張できます。
- デメリット:
- ・ボックス型に比べると、自立しにくい場合があります。
- 代表的なバッグ:
- ショルダーバッグ、ハンドバッグ、ボストンバッグ、エコバッグなど。
- 素材との関連性:
- 柔軟性や拡張性が求められるため、柔らかい革(ラムレザー、シュリンクレザーなど)、キャンバス地、ナイロン、ポリエステルといった、比較的しなやかな素材のバッグに採用されることが多いです。
3. 可変式マチ
- 特徴:
- 側面や底面にほとんど厚みがなく、平らなデザインが特徴です。非常にスリムでコンパクトに持ち運べます。
- メリット:
- ・かさばらず、スマートに携帯できます。
- ・書類や薄いものを整理して入れるのに適しています。
- デメリット:
- ・収納力は限られる。
- ・厚みのあるものを入れると、バッグの形が崩れやすい。
- ・自立しにくいバッグが多い。
- 代表的なバッグ:
- クラッチバッグ、一部のトートバッグ(特にA4ファイルなどを入れるための薄型タイプ)、封筒型バッグ、サコッシュなど。
- 素材との関連性:
- 薄さを活かすため、比較的柔らかい革、布帛(コットン、リネン)、薄手の合成皮革などが使用される場合が多い。
バッグを選ぶ際の「マチ」のチェックポイント
ここまでご紹介してきた、マチの定義・役割・種類を踏まえたうえで、実際にバッグを選ぶ際には、どのようポイントをチェックすれば良いかをご紹介いたします。
収納したいモノのサイズ・量を確認する
オンラインストアなどでバッグ・カバンを購入する場合、商品の説明欄に記載されているマチ幅(奥行き)は、あくまで「バッグ・カバン」そのものの最大幅であることが多いです。
しかし、実際に収納できる「内寸」は、バッグの構造(内ポケットの厚み、底の形状など)によって変わってきます。実店舗などがある場合は、可能なかぎり、実際の商品に収納したいものを入れてみるか、レビューなどで「内寸」に関する情報を確認することをおすすめいたします。
バッグの用途・使用シーンを考慮する
バッグ・カバンをどのような場面で使用するかによっても、最適なマチの形状や幅は異なります。「ビジネス用」「普段使い用」「旅行・出張用」それぞれの用途で使用する際に最適なマチについて、ご紹介いたします。
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- ビジネスシーン:
- 書類やPC、手帳などをスマートに収納したい場合、A4サイズの書類がゆったり入る幅と、自立しやすいボックス型のマチが備わった、バッグ・カバンがおすすめです。ビジネス用のバッグやカバンは、床に置く機会も多いため、安定感は特に重要視したいポイントです。
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- 普段使い (カジュアル・タウンユース):
- 普段から持ち歩く荷物の量や種類は、人それぞれ異なりますが、近場のお出掛け用のバッグ・カバンであれば、スマホやお財布など、最低限必要な少量の荷物が収納できれば良いので、スリムなマチが付いていれば特に問題ありません。ただ、お弁当箱などを収納するランチバッグのマチには、ある程度の幅が必要です。デザイン性とのバランスも考慮しながら、必要な収納力を備えた商品を選ぶようにしましょう。
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- 旅行・出張:
- 着替えや洗面用具など、かさばる荷物を大量に持ち運ぶことが多い、旅行・出張用のバッグ・カバンには容量が大きく、マチの幅も広い商品が適しています。中でも、荷物の量に合わせて容量を調整できる可変式のマチが付いているバッグ・カバンは、特におすすめです。
デザインとシルエットで選ぶ
マチは、バッグ・カバンの全体のシルエットや印象を大きく左右する重要なポイントでもあります。バッグ・カバンに付いているマチの型や幅によって、荷物を収納した際の形状も変わってきます。お出掛けする場所の雰囲気や当日のファッションと合うバッグ・カバン選びの参考にしていただければと思います。
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- スマートに見せたい場合:
- マチ幅がスリムなものや、バッグの底に向かってすぼまるようなデザインのマチが付いたバッグ・カバンを選ぶと、すっきりとした印象になります。
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- 収納力と存在感を両立させたい場合:
- しっかりとしたボックス型のマチが付いたバッグ・カバンは、立体的で存在感があります。荷物をしっかり収納しても型崩れしにくいため、常にかっちり整ったシルエットを保てます。
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- 柔軟性を持たせたい場合:
- ガゼット型のマチや可変式マチは、荷物の量によって見た目の形状・雰囲気が変化するため、ファッションコーディネートに変化をつけたい場合にも適しています。
「自立するかどうか」を確認する
テーブルや床などに置く機会も多い、重量がある荷物を持ち運ぶ際に使用するバッグには、しっかりと自立するタイプの商品がおすすめです。
以下でご紹介するポイントを参考にして、自立しやすく丈夫でしっかりしたバッグをお選びください。
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- 自立しやすいバッグ:
- 底面の面積が広く、マチがしっかりとしたボックス型構造のバッグは、自立しやすい傾向があります。ビジネスシーンで使用するバッグには、テーブルや床に置いても自立して、中身を整理しやす角底マチタイプ(ボックス型マチ)がおすすめです。
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- 自立しにくいバッグ:
- マチが薄いバッグや、底が丸みを帯びているバッグ、柔らかい素材のバッグなどは、自立しにくいことが多々あります。しかし、デザイン性を重視したい場合や、常に手で持つことを前提としている場合は、それほど問題にならないこともあります。
【注意点】 バッグの自立性は、マチの形状だけでなく、バッグの素材のハリや、底鋲(バッグの底についている金属の鋲)の有無なども影響します。
まとめ:マチで変わるバッグ選びの視点
マチは、単にバッグの「厚み」を表すだけのものではなく、バッグの収納力や安定性、さらにはデザイン性にまで大きく関わる、重要な要素です。
マチの役割・特徴・効果について知識を深めることで、あなたのライフスタイルに合った、より快適で満足度の高いバッグ選びができるはずです。
今後バッグを選ぶ際に、デザインや色だけではなく、是非マチにも注目していただければと思います。
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