巾着の使い道と魅力：名前の意味・選び方も徹底解説！

巾着の名前の由来と歴史：古くから愛される理由

私たちの暮らしの中にも自然に溶け込み、普段から何気なく使用したり、目にする機会も多い巾着ですが、その起源や歴史について改めて考えたことがあるという方は、実は少ないのではないでしょうか。
巾着の名前の由来や歴史を知ることで、なぜ巾着は古くから愛されているのかという理由も少しずつ明らかになっていくはずです。

「巾着」の名前の由来

まず最初に、巾着の名前の語源について紐解いていこうと思います。

巾着は、布巾（ふきん）・雑巾（ぞうきん）・三角巾（さんかくきん）などにも用いられている、布切れを意味する漢字「巾」と、身に着けることや、包むことを意味する「着」の漢字が組み合わさった言葉で「財布などの貴重品を肌身離さず身に着けて携帯することができる布切れ（袋）」ということから巾着と呼ばれるようになったと言われています。

巾着の歴史

巾着が私たちの生活に登場したのは、諸説ありますが、実はかなり昔で、平安時代頃だといわれています。ただ、巾着が一般的に広まったのは江戸時代が始まりだとされています。ここでは、江戸時代から現在まで、多くの人達に愛用されてきた巾着の歴史と変遷をざっくりご紹介いたします。

■巾着の歴史

• 江戸時代

  武士は印籠や煙草入れ、金銭などを入れて腰に下げていました。また、庶民も、お祭りの際の小銭入れや、旅のお供として、様々な用途で巾着を活用しており、日々の生活で欠かすことができない道具として親しまれていたということです。当時作成された浮世絵などには、巾着を身につけている人々の姿が随所で描かれています。

• 明治・大正時代

  和装が文化として根付いていた当時、巾着は女性のお洒落アイテムとしても親しまれていたといわれています。着物に合わせた、素材や柄にこだわった美しい巾着が作られるようになったということです。

• 現代

  和装だけではなく、洋装にも合わせやすいデザインが次々と登場し、巾着はより汎用性が高く、身近な存在になりました。素材や形状も多様化し、用途はより一層広がっています。

このように、巾着は時代と共に形を変えながらも、常に人々の生活に寄り添い、愛され続けてきたのです。

巾着から派生した言葉

日本には巾着から派生した以下のような言葉があり、現在でも私たちの生活に浸透しています。巾着が古くから日本人に親しまれていたということがよくわかります。

■巾着から派生した代表的な言葉

• 腰巾着（こしぎんちゃく）

  貴重品を収納して、常に腰にぶら下げて身に着けている巾着。これが転じて、いつも目上の人など、ある特定の人物につき従って離れない人のことを「腰巾着」と呼ぶようになりました。現代では権力者に媚びへつらい、ご機嫌うかがいばかりしている人を揶揄する時に使います。

• 磯巾着（いそぎんちゃく）

  実はいまだに謎が多い、海の生物「磯巾着」。触手を縮ませて、巾着の口を締めたような形に似て見える事から命名されたといわれています。

• 巾着切り（きんちゃくきり）

  江戸時代には、多くの庶民がお金を巾着袋に入れてぶら下げており、この巾着を切り落とすスリ（窃盗）が町中で多発したことで、次第にスリのことを「巾着切り」と呼ぶようになったそうです。

• チャック

  1851年にミシンなどの開発で知られるアメリカ人、エリアス・ハウが「自動の、連続した、服を閉じる機構」として特許を申請した発明品で、現在も世界中で親しまれている「ファスナー」。日本においては、1927年頃に広島県の日本開閉機会社(日本開閉器商会)がファスナーの製造を開始し、その分派会社「チャック・ファスナー」社が、巾着のようにしっかりと閉まる事から、ファスナーを「チャック印」という商標で販売したのが最初で、その呼び名が評判となり、世間に広まったといわれています。

巾着の魅力とは？昔も今も人気の理由

何百年も前から現在まで、日本人に愛され続けてきた巾着の魅力について、「素材・柄・サイズの多様性」「機能性」「汎用性」の3項目に分けてご紹介していこうと思います。

素材・柄・サイズの多様性

素材・柄・サイズなどが豊富で、ユーザーが用途に合わせて自由に選択できるという点は巾着の大きな魅力の一つです。オリジナルデザインを名入れ印刷をする際には、巾着の素材・柄・サイズを意識しながらデザインを作成すれば、より一層かわいくてオシャレなオリジナル巾着を製作することができるはずです。

• 素材

  ふんわりした綿や麻、光沢のあるシルクやサテン、高級感のあるレザーや合皮、軽くて丈夫なナイロンやポリエステルなど、巾着の素材が異なるだけで雰囲気はガラリと変わります。

• 柄

  伝統的な和柄はもちろん、モダンな幾何学模様、可愛らしいキャラクターもの、シンプルな無地など、選ぶのに迷ってしまうほどのバリエーションがあります。

• サイズ

  アクセサリー収納用のミニサイズ巾着、旅行用の着替えもたっぷり収納できる、大きめサイズの巾着など、用途に合わせて選べる、豊富なサイズ展開も魅力です。

機能性

巾着は、見た目がかわいくてオシャレなだけではなく、機能性にも優れています。実用的な収納アイテムとしてとても重宝します。

• 開け閉めの容易さ

  巾着は紐をキュッと引いたり、弛めたりするだけで、簡単に開け閉めできます。忙しい現代人にとってもこの手軽さはとても嬉しいポイントです。

• 中身が見えない安心感

  巾着は袋状になっているため、中身が外から見えづらく、プライバシーを守りたいモノを収納する際にはとても重宝します。

• コンパクトに持ち運べる

  使わない時は小さく折り畳める商品が多く、バッグの中に常備しておいても、かさばりにくいのが特徴です。

汎用性

巾着は、どんなシーンでも活躍する万能アイテムです。各々の用途に合わせて上手にご活用ください。

• 和装・洋装どちらにもマッチ

  伝統的な和柄の巾着は着物姿にぴったりですが、実は意外と洋服にも馴染みます。逆に、モダンなデザインの巾着は、洋装はもちろん、浴衣などの夏着物にもよく合います。

• 様々なシーンで活躍

  普段使いの小物入れから、旅のお供、フォーマルな場、ちょっとしたギフトのラッピング用まで、その用途は計り知れません。

巾着の活用術：こんな使い道があった！

巾着はとても便利な収納グッズで、驚くほど多様な使い方ができます。以下では多様な巾着の活用術の中から、代表的な例を一部抜粋してご紹介いたします。

日常使いに便利！バッグの中身を整理整頓

毎日の通勤・通学、ちょっとしたお出かけ、バッグの中身の整理整頓など、巾着は日常生活であらゆるモノを手軽に収納することができる、とても便利なアイテムです。色々試していくうちに、お気に入りの使い方がきっと見つかるはずです。

• 小物入れ

  化粧ポーチ代わりに、リップやハンドクリーム、イヤホン、常備薬などをまとめて収納！バッグの中での迷子を防ぎ、サッと取り出せます。

• お財布代わりに

  ミニサイズの巾着は、お散歩などでスマホと最低限のお金だけ持ち歩きたい時にぴったりで。キャッシュレス派の方にもおすすめです。

• スマホ・充電器入れ

  巾着は、デリケートな電子機器を傷から守るクッション材代わりとしても重宝します。

• お菓子入れ

  ちょっとしたおやつをバッグに忍ばせておきたい時にも、巾着はとても便利です。見た目も可愛らしく、バッグに入れておくだけでも気分が上がります。

旅行・お出かけの必需品！荷造りをスマートに

旅行や出張の荷造りも、巾着を上手に活用すれば、効率的かつスマートにこなすことができます。

• 衣類仕分け

  靴下や下着、着替えなどを種類別に分けて収納することで、どこに何が入っているかが明確になり、取り出しも楽になります。

• 洗面用具入れ

  旅行用のシャンプーボトルや歯ブラシセットなど、水濡れが気になるアイテムも巾着に収納しておけば安心です。

• 貴重品入れ

  巾着にパスポート・航空券・現金といった絶対に無くしたくない貴重品をまとめて収納しておけば、紛失防止にも役立ちます。

和装時のお洒落アイテム＆実用品

着物や浴衣を着用する際のお洒落アイテムとしても、巾着は欠かすことができません。上手に巾着を取り入れて、是非おしゃれな着こなしに挑戦してみてください。

• 帯飾りとして

  小さめの巾着を帯に下げると、粋で可愛らしい印象を与えることができます。

• ハンカチ・ティッシュ・リップ入れ

  ちょっとした小物類や必需品をおしゃれ＆スマートに収納することができます。

• スマホや小さなお財布などの貴重品入れ

  現代人の必需品、スマホやお財布などの貴重品も、和装に合うデザインのおしゃれな巾着に収納すれば、違和感なく持ち歩けます。

ギフト・プレゼント・ラッピング用にも最適

大切な人へのプレゼントやギフトも、巾着で可愛くおしゃれにラッピングすれば特別感がより一層アップします。

• ラッピング代わり

  何気ない小さなお菓子やアクセサリー、ハンドメイドの小物なども、巾着に入れて贈ることで、特別感が増します。巾着の口を開けて中身を確認するまでのワクワク感はなんともいえません。

• オリジナル巾着

  オリジナルデザインを名入れ印刷した、希少価値の高い手作り巾着は、心のこもった素敵な贈り物として喜んでもらえるはずです。

その他に、こんな使い道もあります！

ここまでご紹介してきた、上記や以下の用途以外にも、様々な使い方が可能な巾着。本ページをご覧の皆さんも気軽に色々試して、より良い巾着の使い方を追求してみてください。

• ランドセルやスクールバッグのインナーバッグに

  ランドセル内の小さな文房具や、スクールバッグ内の小物類を整理するのにとても便利です。

• 推し活グッズ入れに

  トレカ、缶バッジ、アクリルスタンド、ぬいぐるみなどのアイドルグッズを傷つけずに持ち運ぶことができます。

• お子様のおもちゃ箱の整理整頓に

  お子様が気に入っている文房具や、おままごとセットなどのおもちゃを収納して整理整頓する際にもとても重宝します。

巾着の選び方のポイント：あなたにぴったりの一枚を見つけよう

ここからは実際に巾着を選ぶ際に役立つポイントについて、項目ごとに分けて詳しくご紹介していこうと思います。あなたにぴったりの巾着を是非見つけてもらえればと思います。

用途で選ぶ：何を、どれくらい収納したいか！？

巾着を選ぶ際にまず大切なのは、「何をどれくらいの量収納したいか」を明確にすることです。改めて自分が必要としている巾着の条件を、一度書き出してみると、自分が求めている巾着が、どのようなタイプなのかということが明確になってくるはずです。

• 旅行用の着替え収納

  ある程度の厚みがある巾着や、複数枚の衣類が入るラージサイズが適しています。

• アクセサリーやイヤホン

  ミニサイズで、中身を優しく保護してくれる素材の巾着がオススメです。

素材で選ぶ：質感で印象が変わる！

巾着の使い心地や雰囲気は、使用している生地の素材によって、大きく変わります。使いやすくて見た目もおしゃれな、質感がある巾着は、様々な場面でついつい使いたくなります。

• 綿・麻

  綿・麻はカジュアルでナチュラルな雰囲気の素材です。普段使いしやすく、通気性も良いので、お弁当袋などにも向いています。

• シルク・サテン

  光沢があり、上品でドレッシーな印象を与えるシルク・サテン素材の巾着は、フォーマルな場面や和装にも合わせやすいです。

• レザー・合皮

  高級感がある見た目で、耐久性が高いレザー・合皮素材の巾着は、ビジネスシーンや、少し改まった場でも自然に馴染みます。

• ナイロン・ポリエステル

  ナイロン・ポリエステル素材の巾着は、軽くて丈夫で、撥水性が高いアイテムも多いので、アウトドアやスポーツシーンでも活躍します。

デザイン・柄で選ぶ：個性をプラス！

素材と同等に、デザインや柄は巾着を選ぶうえでとても重要なポイントです。オリジナルの巾着を作る際には、デザインや柄にこだわって、唯一無二の巾着製作に是非挑戦してみてください。

• 和柄

  伝統的な麻の葉文様・青海波・桜柄などの巾着は、着物姿はもちろん、洋服のアクセントとしても個性的でおしゃれ雰囲気を演出することができます。

• 無地

  無地の巾着は、シンプルでどんなスタイルにも合わせやすく、汎用性が高いのが魅力。刺繍やアップリケなどで、自由にアレンジするのもとても楽しいです。

• キャラクター・モチーフ

  自分の推しのキャラクターや、好きな動物、食べ物などのモチーフを施したオリジナル巾着は、持っているだけで気分が上がります。推し活グッズの収納にもぴったり。

• 刺繍・レース

  刺繍やレースを施した巾着は、特別感があり、エレガントな印象を与えます。プレゼン用としても、とても喜ばれます。

サイズで選ぶ：用途に合った大きさを！

巾着のサイズ感は、使い勝手に直結するとても重要なポイントです。前述した内容と重複いたしますが、何を収納し、どのような用途で使用する巾着が必要なのかということを一度書き出してみることで、自分が必要としている巾着のサイズ感が、明確になってくるはずです。

• ミニサイズ

  ミニサイズの巾着は、アクセサリー・リップ・イヤホンなど、小物を収納するのに最適です。ちなみにバッグの奥で迷子にならないようにするためには、目立つ色を選ぶのもオススメです。

• ミドルサイズ

  スマートフォン・小さめのお財布・ハンカチ・ハンドタオルなどを無理なく収納できる、最も汎用性の高いサイズです。

• ラージサイズ

  ラージサイズの巾着は、旅行用の着替え・大きめのポーチ・本など、かさばる荷物をまとめる際にもとても便利です。

開閉方法で選ぶ：仕様も細かくチェック！

巾着の開閉方法は、シングルの紐タイプが主流ですが、より一層利便性・デザイン性を追求した「ダブルの紐タイプ」「ファスナー付きタイプ」のオリジナル巾着は、とてもおしゃれで個性的です。

• 一般的な紐タイプ

  最もポピュラーな巾着のタイプで、片手でも簡単に開け閉めができます。デザインやサイズのバリエーションもとても豊富です。

• ダブル紐タイプ

  左右に通っている2本の紐を引っ張ることで、袋口がキュッと閉まる仕組みのダブル紐タイプ。袋口をしっかり締めると、中身がこぼれにくいだけではなく、全体のフォルムが丸みのあるかわいい形になり、とてもきれいです。

• ファスナー付きタイプ

  「口を紐で絞る巾着の機能」と「ファスナーで口を開閉できるポーチの機能」が組み合わさったハイブリッドな巾着。見た目もおしゃれで、活用の幅もより一層広がります。

まとめ：巾着で日常をもっと豊かに！

昔から変わらない、独自の形状と機能性は保ちながらも、時代と共に進化し続ける巾着。

時代が変わったとしても、機能性が高く見た目もおしゃれな巾着は、私たちの生活になくてはならない収納アイテムとして、これからも多くの人達に愛され、様々な使い道が開拓されていくはずです。

今後、オリジナルの巾着を製作したり、選んだりする際には、ぜひ今回ご紹介したポイントを思い出しながら、素材、デザイン、サイズ、用途などを考慮し、あなただけの特別な一枚を見つけてもらえればと思います。